協会ブログ

障害者スポーツと最先端技術

  • 2020.5.28

みなさん、はじめまして。

新型コロナウイルス感染拡大防止のため、大会などのお知らせする機会がないので、この場をお借りして私の体験を紹介したいと思います。

障害者スポーツとの出会いは、井上雄彦氏と保原浩明氏の2人との出会いがきっかけでした。

井上氏については、正確を期すると本人の謦咳に接した訳ではなく、井上氏が描いている車椅子バスケットボールの漫画「リアル」との出会いです。

保原氏は、知る人ぞ知る義足アスリートの研究の第一人者で、幸運にも県議会議員の先生方の視察の随行で、産業技術総合研究所のデジタルヒューマンラボでお話を伺う機会に恵まれました。

保原氏のお話で今も鮮明に記憶に残っている2つのことをご紹介します。

第1点【バイオメカニクス】
生き物の構造、仕組み、からくりを力学的に調査し、その結果をリハビリ、スポーツ科学やもの作りに応用することを目的とした学問であるバイオメカニクスから、本田圭佑選手や香川真司選手などのフリーキックの動きをカメラで調べると、なぜ彼らが上手に蹴ることができるのか、下手な選手にはどういうトレーニングが有効なのか、が導き出せ、それはゴルフや野球なども同じであること。
また、高齢者の歩き方や転倒の詳細を調べることで、どういう福祉器具を作るべきか、どんなリハビリをするべきかがわかること。
更に手の動きのビッグデータから、持ちやすいカメラやスマートフォンのアイコンの形状、配置がわかること。

第2点【全体を見よう!】
2012年のロンドン、2016年リオデジャネイロのパラリンピックの走り幅跳びの金メダリストで、8m48cmという世界記録保持者のドイツのマルクス・レームの走り幅跳びをモーションキャプチャーで計測してわかったことは、義足よりも切断していない脚の方が非常に強い筋力を出していること。
切断していない脚はボディービルダーのような脚をしていて、おしりも非常に発達していること。

言い換えると、義足だけを見てはいけなくて、残された部分をいかに鍛えるかが大事になっていて、心・技・体で言えば、義足で走り幅跳びをすることは、心・技・体のうち体の一部が義足になっているだけで、本当に見なければならない部分は、他の部分にも沢山あるのに、どうしても義足などの「部分」に目が行ってしまいがちであるが、全体を見て、速く走れる、遠くまで跳べることを考えようと研究していること。

以上の2点が強く印象に残っています。

障害者スポーツの競技者は、残された機能を活かしつつ、加えて、義足なら義足、車椅子なら車椅子を自在に使いこなせる技術が必要であり、そういった技術を体得しているという点で、高いレベルで競技を行っていると言えると思います。

そういった点からも、新型コロナの影響で、競技や練習がままならない日々が続いていますが、この機会に、保原氏が言う「本当に見なければならない沢山の部分」を発見していただいて、その強化に工夫をして取り組んでいただければと思います。

事務局員 川尻



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